懐かしい思い出を回想して認知症予防!

介護職は認知症と回想法の正しい知識が必要

正しい知識を持つ必要がある

介護職として回想法を実施するためには、正しい知識を身につけておく必要があります。回想法は人それぞれ異なる思い出や心の問題を扱う手法なので、偏った認識のまま実践しようとすると失敗のリスクが高まります。回想法を流れとして覚えるのと同時に、回想法で注意すべき点にも意識を向けておかなければなりません。

正しい知識を持つ必要がある

介護職が回想法で注意すべきこと

介護現場で働く人が回想法で特に注意すべきなのは、実施者独自の考えによる思い込みや偏見です。高齢者ならば誰もが昔大ヒットした映画や音楽を懐かしむとは限りませんし、洗濯板や玩具を見て必ず良い思い出がよみがえるということでもありません。回想法の実施者が思い込みや偏見で一般論を押し付けるようなことがあれば、参加した高齢者は純粋な気持ちで思い出にふけることはできなくなるでしょう。ほんの少しの不快感が、参加者同士の論争に火をつけてしまうおそれもあります。グループ全体の雰囲気が悪くなると、回想法の効果はほとんど感じられないでしょう。同じ時代を生きてきた人同士でも好みには違いがあり、感じ方にも違いがあるということを、実施者がまずしっかりと理解しておくことが何よりも重要です。参加者同士の意見が異なっていたとしても、実施者が多様性へ配慮する気持ちを持っていれば、グループ全体を良い方向へと導くことは可能です。
回想法とは、その人の記憶や認識の正誤を確認するためのものではなく、その人本来の良い部分を取り戻すためのものであることを忘れないようにしましょう。

心療回想士

介護職が回想法において誤った対応をしないために役立つのが、回想法に関する研修や資格です。「心療回想士」は、認知症予防やがん患者のケアに用いられる技法に関する民間資格で、通信講座を受講することで取得できます。5級の心療回想士なら、条件なしで誰でも受講が可能です。4級の回想療法士補以上になると、学会本部や支部が主宰するセミナーや研修会への出席が必要になります。

認知症ライフパートナー

同じく民間資格の「認知症ライフパートナー」では、回想法を含むさまざまな療法をレベルに応じて身につけていくことができます。受験資格は特になく、試験は筆記試験となっています。
毎年7月と12月に試験が実施されており、「基礎」の合格率は約69%です。認知症ライフパートナーで最も重視されているのが、アクティビティ・ケアと呼ばれているコミュニケーション法です。回想法をはじめ、運動、音楽、園芸などのアクティビティ・ケアは、どれも日常生活や介護現場ですぐに取り入れることができる実践的な内容です。まずは基礎から取得し、実践を重ねながら応用の取得を目指すことができるでしょう。

回想法を詳しく学びたい人へ

正しい知識を持つ必要がある

正しい知識を持つ必要がある

介護職が回想法を実施する場合、正しい知識を身につけておく必要があります。特に注意すべきなのは、実施者の思い込みや偏見が入った自己流の回想法にしないことです。高齢者すべてが同じ価値観や感じ方をするわけではなく、昔のものを見たり聴いたりして懐かしいと思えるかどうかは個人差があります。介護職が回想法に関する正しい知識を身につけるのに役立つのが、「心療回想士」や「認知症ライフパートナー」などの民間資格です。

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